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リアルに怖い

このところ、ガッツリ読書する時間があまり持てないのですが
それでも隔週で図書館に通って、本を借りて来てはボチボチ読んでいます。
昨日読み終わった小説は若年性アルツハイマー患者が主人公のお話でした。

50歳、働き盛りのお父さん。愛する妻と娘がいて、終盤には孫も生まれました。
最初のうちは、物忘れがひどくて会社生活に支障が出て来る。
そのうち、慣れた道や会社の中ですら迷子になってしまう。
知人の識別が出来なくなってくる。
被害妄想や嫉妬が激しくなる。
自分は今、大学生だと思いこむ。
家族の顔も名前も忘れてしまう。

物語は、主人公が奥さんに名前を尋ね、「良い名前ですね」と言う所で終わった。

えげつない修羅場や絶望的に悲惨な状況は描写されていなかったのだけど
本当に恐ろしいなぁ・・・と感じる事が多かった。
特に初期の、病名が判明して、色々調べたり、周りに気付かれないように生活するため
涙ぐましい努力をしたりしながら、記憶が失われて行く恐怖と戦っている所は
息苦しくなるほど。

私は本を読みながら、主人公に感情移入などしないタイプなのだけど
「もし自分がこの病気に罹ったら・・・・??」と考えると、リアルな恐怖を覚えました。
もともと、記憶力がおそらく人一倍悪くて、色んな事を日々大量に忘却しながら生きている
という自覚がある。モノの名前も即座に思いだせなくて「アソコのアレが」とか
代名詞メインで会話をしてしまう傾向も顕著である。
それはまぁ、別に生きていく上で今のところ何ら支障はなく、モルツハイマーとか言って
笑っているのだけど、病気の初期段階の主人公の状態は、「まさしくアタシ?」みたいに
共通する所があって、「コワ」って思うのでした。

出来る事なら、誰もどんな病気にも掛からずに生きていけたら、それに越したことはないけど
どうしても病気になっちゃうというのなら、若年性アルツハイマーはホントに嫌だなと思う。
本人が辛いのはもちろんのことだけど、家族の精神的な苦痛は想像を絶します。
治る薬が早く開発されたら良いなぁ、と思うのでした。
by kokuzo89 | 2013-12-21 09:47 | 徒然